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老後の住み替え。60歳代・70歳代で住み替えを考える

2023.02.20

シニアマンション一戸建て住みかえる老後の生活

人生80年時代と言われている昨今、定年後の人生を充実させるため、セカンドライフを考える人が多くなってきています。

実際、令和3年度の調査では、平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳※1となっており、シニア世代は定年退職後の20年を考えることがとても大切になっています。
※1 令和3年簡易生命表の概況より

今回は、安心・安全な住まいづくりを考えるべく、60歳代・70歳代で住み替えを考えるポイントについてご紹介させていただきます。

60歳代・70歳代のシニアの住み替え

30歳代・40歳代に購入した一戸建てやマンションは、3LDKや4LDKが主流。しかし、時がたつにつれ家族構成の変化や自身の体の変化から、住まいが今の暮らしと合っていない場合があります。

暮らしの変化と住まいのミスマッチ

  • ・子供が独立したため部屋が余っている
  • ・家がすこし広いため掃除が大変
  • ・一戸建ては広くて階段もあって移動が大変
  • ・仕事場基準で場所を選んだため、すこし不便
  • ・周囲はファミリー世帯が多く馴染みにくい
  • ・子供や孫と距離が遠くなかなか会えない
  • ・相続して住んでくれる人はいない

暮らし方の変化、家族の変化、体調の変化で起こっているミスマッチ。
今の持ち家から住み替えることで解消される場合があります。

1.コンパクトな間取りのマンションへ転居する

1LDKや2LDKのコンパクトな広さの間取りの家へ移ることで、掃除や室内の移動が楽になります。

マンションは、共用部分は車いす利用も想定したバリアフリー構造で設計し、室内もバリアフリー化されている物件も多々あります。掃除や移動の手間を軽減し、住みやすい間取りの物件に転居することで日々の負担を減らすことが出来ます。

住み替えて良くなる点

  • ・コンパクトなワンフロアの間取りは掃除が楽になります
  • ・立地の良い場所なら、買い物や移動などが楽になります
  • ・バリアフリー構造のマンションもたくさんあります
  • ・一戸建て物件のような家屋のメンテナンスは不要になります
  • ・駅チカの物件を購入した場合、相続時に売却がしやすくなります

懸念点

  • ・購入する場合、その分の資金が必要になります
  • ・賃貸の場合、入居条件を満たせず借りられない所もあります
  • ・戸建てから転居した場合、隣室の生活音が気になる可能性があります

ポイント

3LDKや4LDKの家から1LDK、2LDKに引っ越す場合、今の家具や家財をすべて持ち出せないため、引越し時に処分する必要が出てきます。

もしマンションを購入する場合は、大規模修繕履歴の確認や耐震性などマンション性能を確認しておくなどが重要になります。また、住宅ローンを利用する・しないに関わらず、老後の生活に支障が出ないよう無理のない資金計画を考える必要があります。

2.賃貸住宅に住みかえる

持ち家から賃貸住宅に住みかえる。
希望のエリアや間取り・家賃など、今の暮らしにマッチした条件の物件へ住み替えることで住みやすさや利便性を改善出来る場合があります。

また、持ち家を売却することで、老後資金を得ることもできます。

住み替えて良くなる点

  • ・家を売却して老後資金を得ることが出来る
  • ・好きな場所に引っ越すことが可能
  • ・将来介護施設への入居などのフットワークが軽くなる
  • ・建物の維持費用やメンテナンス費用が不要
  • ・立地やセキュリティ、間取りなど条件を選ぶことが出来る

懸念点

  • ・借りられない場合がある
  • ・月々の家賃の支払い分の出費が増える

ポイント

賃貸物件はさまざまな物件があるため、希望条件に合った物件が比較的見つかりやすくなり、暮らし方に合わせた住まい選びが可能です。一方で、物件によっては年齢がネックとなり借りられない場合もあります。

持ち家を売却することで資金を得ることもでき、将来シニア向け住宅や介護施設への入居、田舎暮らしや実家へ帰省など、状況に合わせて行動を起こすことが容易になります。

3.シニア向け住宅に入居する

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やシニア向けの分譲マンションなど、健康管理や見守りサービスがついていたり、介護スタッフが日中常駐している物件などがあります。

住宅によっては住民同士の交流のためのレクリエーションを行っているものもあり、通常の住居では難しくなったシニア世代の交流を広げ・深めることが可能です。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する住宅の事を指します。
※出典:国土交通省Webサイトより

住み替えて良くなる点

  • ・健康管理や生活相談など高齢者向けの様々なサービスを受けられます
  • ・同世代の交流の場があり、新しい出会いがあります
  • ・施設はバリアフリー構造となり、シニアが暮らしやすい住居です
  • ・持ち家を売却することで資金を得ることが出来ます

懸念点

  • ・費用が通常の賃貸物件より割高の場合が多くあります
  • ・購入の場合、資金が必要となります
  • ・購入した物件を売却する場合、通常の物件より難しくなります
  • ・介護施設ではないため、介護度合いで転居の必要が出てきます

ポイント

高齢者が安心して暮らせる住居を提供するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やシニア向けの分譲マンション。費用は割高となりますが、施設や設備、サービスはシニア向けに特化しており、また住人同士の交流が盛んな場合もあるのが特徴です。

住居によって内容や条件、設備・サービスなどが大きく異なっていますので、入居検討の際はそれぞれの内容を比較することが大切になります。また、購入する場合は、転居が簡単に行えず、売却も通常の物件より難易度が高いためしっかりと検討することが大切です。

4.郊外のマンションでのびのびと暮らす

老後のセカンドライフは都心を離れて郊外のマンションや故郷へのUターン、田舎暮らしのために地方に移住するなどのケースも少なくありません。

郊外の場合でも、交通環境が整備されており、駅周辺はスーパーや病院など住環境が整っていて、とても住みやすい場所が多くあります。また、都心に比べて家賃は安くなり、賃貸物件であれば比較的住居も探しやすいため、お試しで住むことも出来ます。

住み替えて良くなる点

  • ・駅チカは交通の利便性も高く住環境も整っている
  • ・賃貸物件は都心に比べて家賃が安く、比較的探しやすい
  • ・賃貸物件ならお試しで住むことも可能
  • ・環境が変わることで新しい発見が増える楽しみがあります

懸念点

  • ・賃貸の場合、入居条件を満たせず借りられない所もあります
  • ・環境が大きく変わるため、ストレスになることがあります

ポイント

大きく環境を変えることになる郊外や地方、田舎への移住は、セカンドライフとして過ごしたい日々と合っているかが重要です。また、夫婦の場合はパートナーもそれを楽しむことが出来るか、お互いにしっかりと話し合って決めることが重要になります。

5.子供との同居、子供家族の近居住宅に転居

定年退職後、子供や孫と過ごす時間を大切にするため、サポートしやすい距離に引っ越す。二世帯住宅で子供の家族との同居や、子供の住む場所の近くに転居することも良くあるケースのひとつです。

地方によっては、親との同居や近居に対して補助金が出る場合もあります。

住み替えて良くなる点

  • ・子供や孫と定期的に会うことが出来る
  • ・孫の成長を間近に感じることが出来る
  • ・自治体によっては補助金が出る場合がある

懸念点

  • ・新たな環境になれる必要がある
  • ・子供世帯の生活リズムに合わせる必要がある

ポイント

同居や近居は子供家族の同意が前提となりますが、定年退職を機に二世帯住宅を建てたり、孫が生まれたことをきっかけに、近居し育児のサポートをするケースもよくあります。

近居する場合の住居選びは、利便性が高く買い物施設や病院などが近くにあるなど、住み心地も重視して探すことが大切になります。

老後のための住み替えを考えるタイミング

60歳・70歳の定年退職後、いわゆるセカンドライフの計画はいつから考えればいいのでしょうか。
また、住み替えを検討するならどのタイミングで考えはじめればいいのでしょうか。

定年前から考える資金計画やライフシミュレーション

老後について50歳くらいから考え始める方もいらっしゃいます。

あまりに早すぎる場合、実際に60歳・70歳となったときにギャップが生じてしまう可能性もありますが、資金繰りや定年後の暮らしは、いざ当事者になってから考えるより事前にしっかりと考え、パートナーやご家族と話し合っておくとスムーズです。

また、住宅ローンの審査や賃貸借契約の条件は年齢を重ねるほど厳しくなってしまうため、事前に色々と調べておくことも重要です。

老後の住み替えについて考える

資金計画を考える

退職後の収入・老後の生活費

老後の生活費を考えるうえで、退職後も働くかどうかはとても重要になります。
資金計画を考えるうえで、収入源はどうなるのか、現在の貯蓄はどの程度なのかを把握しておくことは重要です。

自宅の売却益を考える

家を売却した場合、いくらで売ることが出来るのか。
住宅ローン残債がある場合、売却価格から住宅ローンを返済するといくら残るのか(売却益はいくらなのか)など、家を売ったときに得られる資金も考えておくと具体的な資金計画を立てることが出来ます。

住み替え先の住居を考える

購入か賃貸のどちらにするのか考える

家を購入する場合、住宅ローンを利用する場合が多いと思います。
その場合、住宅ローンの審査では年齢も加味されるため、住宅ローン審査が通る金額や借入期間にする必要があります。

また購入ではなく賃貸の場合、年齢によっては契約が出来ない物件もあります。

支出を考える

日々の生活費はもちろん、月々いくらの支出が予想されるのでしょうか。

家を購入する場合、固定資産税や修繕費、マンションなら管理費や積立金などの他、住宅ローンを利用する場合はその返済額などの支出があります。
賃貸の場合、家賃の出費があります。

新居を購入するか賃貸にするか決まっていない場合、同じ条件の家を購入した場合の月々の返済額と、家を借りた場合の家賃を比較するのもひとつです。

住まい選び

まず立地は重要です。家から公共交通機関までの距離、スーパーなどの買い物環境、病院までのアクセスなど住環境が整っているかどうかがポイントになります。

また、バリアフリー構造などシニアが暮らしやすい設備・施設が整っている。地震などの震災でも問題が無いような躯体である、耐震や免振があるなど建物性能がしっかりとしている。などもポイントになります。

60歳代・70歳代で住み替えるポイント

転居先はどうするのか、老後の資金計画やライフプランはどのようなものなのかなど、セカンドライフについてまずはしっかりと考えておくことが大切になります。

60歳代・70歳代で住まいを売って住みかえる場合、住宅ローン残金がどの程度あるのかによって売却益が異なります。売却益が老後資金となる場合、その先の収支をしっかりと考えておくことで暮らしを充実させることが可能になります。

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