転居や住み替えや相続など、マイホームを売却しなければならないケースは様々です。今回は、マンションを売却する際の流れや税金などの諸費用についてご説明させていただきます。
目次
マンションの売却の流れとは?マンションを売るときの8つのステップ
マンションの売却完了までには大きく8つの段階に分けることが出来ます。
- 1.書類の準備
- 2.マンションの査定依頼と査定の実施
- 3.不動産仲介会社と媒介契約を締結する
- 4.売り出し価格の決定・販売活動の開始
- 5.購入希望者の内覧対応
- 6.売買契約の締結
- 7.決済・引渡し
- 8.利益が出た場合は確定申告
今回は8つの流れを一つずつご紹介させていただきます。
1.書類の準備
検討をはじめたら、ある程度書類の準備を進めておくとスムーズです。書類の準備は2.マンションの査定依頼と査定の実施と同時進行で進めても問題ないかと思います。
査定までに準備
- ・身分証明書
- ・登記済権利証または登記識別情報
- ・物件の図面
- <あると望ましい書類>
- ・分譲時のパンフレット
- ・マンション維持費の関連書類
媒介契約までに準備
- ・売買契約書
- ・固定資産税納税通知書
- <あると望ましい書類>
- ・マンションの管理規約など
- ・建築設計図書
- ・耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書
引き渡しまでに準備
- ・印鑑証明
- ・通帳、キャッシュカード、印鑑
- ・重要事項説明書
福屋不動産販売では、もし書類の準備が終わっていなかったとしても、お打ち合わせを進めていく中で適宜必要となる書類をお伝えして進めていきますので、出来ていない場合でもお気軽にお問い合わせください。
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2.マンションの査定依頼と査定の実施
マンション売却にむけて、まずは不動産会社へ査定を依頼します。査定をすることで、売り出し価格の検討や資金計画が立てやすくなります。
マンション査定の方法
マンションの査定には、大きく2つの方法があります。
机上査定:現地調査をせず、過去データから大まかな査定価格を算出します。
訪問査定:実際に訪問し、土地や建物の状態・隣地との境界・周辺環境などをチェックし、具体的な査定価格を算出します
具体的に売却活動を開始するための価格査定は、マンション全体や室内の状態、設備などを確認できる訪問査定が必要になります。
マンションの査定額の算出方法について
一戸建ての査定は土地価格と建物価格を分けて算出しますが、マンションの場合は一戸建てと査定額の算出方法が異なります。不動産鑑定評価等において、不動産価格をもとめるには3つの方法があります。
取引事例比較法
対象不動産と条件が近い取引事例を参考に、過去の取引事例の特異性などがあれば補正(事情補正)、対象不動産の状況・状態を加味して補正(時点補正)などの他、地域要因・個別的要因を加味して価格を求める方法です。
原価法
現時点で再度、土地・建物を調達したと仮定して必要な費用を割り出し(再調達原価)、そこから築年数に応じて減価償却して価格を求める方法です。
収益還元法
その不動産が将来生み出すであろう利益をベースに価格を求める方法です。主に不動産投資における収益物件を取得する際に用いられています。
マンションの査定に費用は発生しませんのでお気軽にご相談ください。
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3.不動産仲介会社と媒介契約を締結する
査定や売却活動の方針などの提案を受けたのち、売却活動を依頼する不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、売却活動の内容や仲介手数料の金額などを定め、不動産会社と売主とで結ぶ契約になります。その媒介契約の種類は3種類あり、それぞれ、契約出来る不動産会社の数や報告頻度などが異なってきます。
専属専任媒介契約
不動産会社1社のみに販売活動を任せる契約です。もし自分で買主を見つけたとしても、不動産仲介会社を通して取引する必要があります。販売状況報告は7日に1回以上、メールや電話などで行う必要があります。
専任媒介契約
不動産会社1社のみに販売活動を任せる契約ですが、自分で買主を見つけた場合は不動産仲介会社を通さず売買契約を結ぶことが出来ます。販売状況報告は14日に1回以上、メールや電話などで行う必要があります。
一般媒介契約
複数の不動産会社に販売活動を任せることが出来る契約です。成約時の手数料は、売却仲介を行った不動産会社1社にのみに支払います。不動産流通機構(レインズ)への物件登録義務や売主への販売状況報告の義務はありません。
各媒介契約の特徴まとめ
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
社数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数可能 |
買主を自分で見つけた | 不動産会社の仲介が必要※手数料が発生 | 仲介無しで販売可能 | 仲介無しで販売可能 |
契約期間 | 最長3か月※延長の場合は再契約 | 最長3か月※延長の場合は再契約 | 規定なし※3か月が一般的に多い |
不動産流通機構への登録 | 契約から5日以内の登録義務 | 契約から7日以内の登録義務 | 登録義務なし |
販売状況報告 | 7日に1回以上必要 | 14日に1回以上必要 | 規定なし |
専属専任媒介契約や専任媒介契約は、1社のみしか契約することが出来ないため、買主を見つけさえすれば仲介手数料が入ってきます。そのため、不動産会社は有料掲載となる大手物件検索サイトへの登録を行うなど、コストをかけて販売活動を積極的に行うことが出来る傾向にあります。
一方で一般媒介契約は、複数同時に契約が可能となるため、不動産仲介会社の競争が期待できますが、コストをかけた販売活動にはリスクが伴うため、場合によってはコストをかけられず結果的に消極的な売却活動となる会社も出てきます。
媒介契約ごとのメリット・デメリットは以下の記事をご参照ください。
コラム:売却契約の種類「一般」「専任」「専属専任」違いとメリット・デメリット
4.売り出し価格の決定・販売活動の開始
不動産会社は媒介契約を締結した後、販売活動を行うことが出来るようになります。まずは売り出し価格を決定した後、不動産会社にて物件資料を作成し購入希望者を集客していきます。
マンションの売り出し価格の設定ポイント
もし売り出し価格が相場よりも高く設定されている場合、なかなか買い手はつきません。
マンションの場合、同じマンションの別の部屋が売り出されている場合や、近隣の同条件のマンションが売り出されている場合など、比較対象が多く相場の把握は難しくありません。
もし長期間売れない状況が続いてしまうとその分築年数が増えてしまい、その影響で査定価格が下がってしまう可能性もあります。
売れ残りにならないように、売り出し価格は相場やニーズを理解し、適正価格に設定することが重要です。
住宅ローンが残っている場合
もし住宅ローン残債がある場合、売買契約時点で住宅ローンが完済できなければ売却することが出来ません。自己資金で住宅ローンを返済するか、売却時に得た資金で返済するか、どちらかで完済させる必要があります。
家を売却し得たお金でローンが完済できない状態であるオーバーローンの場合、金融機関の抵当を外すことが出来ず売買契約が成立しないため家を売ることが出来ません。
もし、売却益で住宅ローン完済を行うのであれば、完済できる価格設定にする必要があります。
5.購入希望者の内覧対応
販売活動が開始されると、不動産仲介会社に内覧希望のお問い合わせが入ります。内覧とは実際の物件を見てもらうことです。内覧での印象は、購入希望者にとって物件を購入するかどうかの判断に大きく影響してきます。
内覧時のポイント
部屋を掃除する
現在空室の場合は問題ありませんが、もし居住中の場合、片付けや掃除は徹底的に行うことをおすすめします。特に、キッチンや風呂・トイレなどの水回りはチェックされる箇所となる一方、汚れなどが落ちにくい場所でもあります。
当日の対応
内覧当日はカーテンをすべて開けておき、電気をつけて部屋を明るくしておく。空調で室温を適切にしておく。来客の人数分のスリッパを用意するなどし、対応も出来るだけ明るく丁寧にすることで、買主の印象は良くなります。
6.売買契約の締結
購入を希望した人が現れた場合、不動産会社に購入申込書が提出されます。その後、不動産会社の仲介により、価格や引き渡し時期などの交渉を経て、合意となったら売買契約へ進みます。
売買契約では、重要事項説明を行ったうえで書面を交付し、売買契約書などの読み合わせを行い、すべての書類に売主・買主双方の署名・捺印・手付金の受領が終われば契約は成立となります。
●売買契約に必要な書類
- ・登記関係書類(権利証または登記識別情報通知)
- ・住民票
- ・身分証明書(運転免許証等ご本人と確認できるもの)
- ・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- ・実印、認印
- ・固定資産税納税通知書
代理人が行う場合は追加で下記が必要
- ・委任状
- ・代理人の印鑑
- ・売主様の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- ・代理人の本人確認書類
7.決済・引渡し
売買契約にて定めた日時に決済と引渡しを行います。なお、引渡しまでにマンションを空室にしなければならないため、転居先の手配や引越しを迅速に行う必要があります。
また、引渡し日と決済日は、同日に行われることがほとんどですが、分けることも可能です。しかし、後から期日変更は難しくなるため、買主と売主双方にとって最良となるよう慎重に決める事をおすすめします。
決済・引き渡し当日
決済・引き渡しの当日は不動産会社・売主・買主と金融機関担当者(売主に住宅ローン残債がある場合は双方の担当者)、司法書士が同席して執り行われます。
決済前に最終確認として、現地で物件状況等報告書や設備表の記載に誤りが無いかの確認などが行われたのち、代金の清算、引渡しの手続きに入ります。
代金の清算は、住宅ローン残債が残っている場合は買主からの代金受領と金融機関への返済を同時に行います。なお、その際に仲介手数料など諸費用の支払いも合わせて行われます。
契約書を締結し、鍵の引渡し、諸費用の支払いが済むと決済・引き渡しが完了となります。
8.利益が出た場合は確定申告
もし売却したことで利益を得た場合、売却で生じた利益に対して所得税と住民税が課税されるため、確定申告を行う必要があります。
確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日に所轄の税務署で行います。但し、年度によってスケジュールが変更されることもあるため、事前に必ず確認してください。
以上がマンションを売却する際の主な流れとなります。
ご不明点がありましたら、お気軽にお近くの福屋不動産販売までご相談ください。